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Si je tombe dans l'amour avec vous

C-6-17 社長の復帰

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 昨年の終わり、社長は突然社長の座から降り、事実上の社長は副社長となり、それに伴い大幅な人事異動が行われるはずだった。
 
 が、それは本来なら昇進する筈の当の重役や役員達の拒否により、実施されることは無かった。それから半年が過ぎた6月の中旬の今日、社長は会長と吉乃の説得に応じ、社長に復帰することになった。

 
 

それを聞いた人事部の人達は、それなら当然吉乃も戻って来るだろうと思っていたらしく、実際に辞令書も作成していた。でも吉乃はそんな人事部に首を横に振り、今は戻るつもりはない、と、はっきり言い退けた。人事部の人達は当然それに大きなショックを受けていた。

 でもね?良く吉乃の言葉聞いてた?吉乃は『今は戻る気はない』って、言ってたんだよ?だったら、いつかは戻って来るってことでしょ?

「何をにやけてるんだ。気味が悪い」

「別に良いじゃないですか。どんな顔をしようと私の勝手です。それに、あんまりそんなに私を見つめてると、吉乃にまた離婚されちゃいますよ?」

 復帰のスピーチを終えたヘタレな社長に、にやけた表情を指摘された仕返しに、私はこっちを不安げに満ちた瞳で見守っていた吉乃に手を振りながら、社長の古傷をグイッと遠慮なく抉ってあげた。

 その私の攻撃は確実に当ったらしく、社長はすぐに吉乃の方へ振り向き、吉乃へ足早に歩み寄り、妊娠してもなお、その細く華奢な身体を優しく抱き寄せた。その光景に息を飲むのは、なにも会社の重役達だけではない。その中には、ほんの少し前に、吉乃や会社を批判した報道陣の姿もある。

 その報道陣達に囲まれつつあった吉乃は、照れ隠しなのか社長の抱擁から逃げて、私の所まで逃げてきた。

 心なし、頬が紅いのは気のせいではない。

「もう、七海ってば、智になんて言ったのよ。もし私が明日声が出なかったら、七海のせいだからね?」

「いや~ん。許して?七海ぃー、悪気はなかったの~。」

「七海、」

 語尾にハートを乱舞させるように言えば、吉乃はがくりと項垂れた。
 だから吉乃は可愛い。私がこの言動を止められないのは吉乃のせいでもある事を吉乃だけは知らない。

 今日の吉乃は、緑色の蝶や毬が優雅に描かれた、豪華な着物姿。

 社長の復帰会見も含めた会社を上げてのパーティーだから、朝から着付けを頑張ったのだと、朝会った早々、こっそり教えてくれた。

 それにしても。

「あれぇー?なんで声が出ないって、今から七海を責めるんですかぁ~?」

「・・・、」

「まっさっかァ~」

 みるみる真っ赤に染まっていく吉乃の反応を楽しみながら、耳元でぼそぼそと推論を零してみれば、吉乃は私の肩に、その真っ赤に染まった顔をぐりぐりと押しつけた。と、その際に見たのは。

 あのぉ~もしもし?そんなに睨まないでくれます?それに、見えてますケド・・・?

 二人の仲が良い証拠と、社長の吉乃に対する執着心。
 でもそれも仕方のない事なのだと思う。だって、二人にしてみれば、今が正に蜜月なのだから。

「良かったですね。おめでとうございます。今度こそ、元気な赤ちゃん産んで下さいね。」

 今まで充分悩み、苦しんできたのだから、これからはその数倍、数百倍の幸せになって欲しい。そしてお伽噺が信じられない私に、お伽噺の様な幸せがあるのだと信じさせて欲しい。

 私は吉乃の幸せを願いながら、社長に睨まれながらも、吉乃が離れるまで抱きしめてあげていた。
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