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Si je tombe dans l'amour avec vous

C-6-13 本当のママ

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 「ねぇ、万菜ちゃん、万菜ちゃんはママに逢いたい?」

 手をつないですみれ先生のお家に帰ってるとちゅう、すみれ先生は変なことを聞いてきた。今日の先生は、お客さんが帰ったから変だった。まなの顔をみて、おっきなため息をついて、またまなの顔を見るのを何回もくりかえした。

 最初はまなのことキライになったのかなと思ったんだけど、違うみたいで。安心してたところにすみれ先生のこの言葉。

 

まな、捨てられちゃうのッ!?

「な、泣かないで、万菜ちゃん。お家に着いたらちゃんと説明するから。」

「やだ、まな、すみれ先生のお家の子になるんだもん。ママなんかキライ。会いたくないッ!!」

 いやだ、いやだ、いやだッ!!

 涙で前が見えなくなってくる。
 歩いてる足もピタッと止まって。

 どうしてすみれ先生はまなを捨てようとするの?まなは何もしてないもん。いい子にしてるもん。わがままなんか絶対言わないもん。

 そうやってぐずぐずまなが泣いてたら、すみれ先生は何も言わないでまなから離れていった。それでまなは、あぁ、やっぱり捨てられたんだと思って、また泣いた。

 泣いて、泣いて。どのくらい泣いたか判らなくなった頃、すみれ先生は息を弾ませて戻ってきた。そのすみれ先生を見上げると、すみれ先生は手に何か持ってた。

「落ち着いて。万菜ちゃん。私は万菜ちゃんを捨てたりなんかしないわ。でもね、私がそうしたくても、万菜ちゃんの本当のお母さんが万菜ちゃんを捜してるかもしれないの。」

 そう言いながら、はい、と、すみれ先生がまなにくれたのは、冷たいオレンジジュースだった。オレンジジュースはまなが大好きな飲み物で、でも、それは誰にも言った事はなかった。なのに。

 おどおどと、そのジュースを貰って、とりあえず飲んでみると、少し酸っぱかった。

「これ飲んだら帰ろうね。お家に帰ったら、カレー一緒に作ってくれる?」

「うん。まな、いっしょうけんめいお手伝いする」

 だから捨てないで、と言ったまなに、すみれ先生はにっこりと笑って、何も言わなかった。結局、まながジュースを飲み終わって、お家に帰って、カレーを作り終わった頃、ちょうど帰ってきたパパを待ってたみたいに、すみれ先生はまなに優しく笑ってくれた。

 そして、ちょっと早い夕ご飯を食べ終わった後。

「万菜ちゃん、落ち着いて聞いてね?智も」

「なんだ?」

「なぁに?すみれちゃん」

 お家では先生は止めなさいって言われてるから、すみれちゃん、って呼んでる。そのすみれちゃんが笑顔で。

「万菜ちゃんの本当のママがいたの。一度、会ってみない?」

 本当のママ。

 すみれちゃんが何を言っているか、最初はわからなかった。でも、すぐにまなは判った。ママじゃなくて、本当のママがまなにいる。

 嬉しいと思ったよ?でもね?まなはね?それでももう決めたの。まなはすみれちゃんの、よしのさんと、パパの子になるって。だから。

「会わない。まなのママはすみれちゃんで、パパはさとしパパだもん。だからホントのママには会わない。」

 まなの言いたかったことを分かってくれたのか、すみれ先生は次の日からまなに何も言わなくなった。けど、一度だけすみれ先生は、まなと知らない女の人を会わせて、その女の人がまなを抱きしめてくれたのは、ずっと、覚えておこうと決めた。


 いつか、お母さんって呼べる日が来るまで。 
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