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Si je tombe dans l'amour avec vous

C-6-10 依頼と打診

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「はぁー。この人が私達が躍起になって追ってた『氷の鷹』だなんてね。ただの愛妻家じゃないの。」

 大きな大きな溜息を吐き、智の作った料理を突きながら文句を言う我が友人殿は、それでも何故か面白そうな顔をしている。

 おそらく何かを考え付き、仕組むつもりなのだろう。昔からこの友人はそうだった。果たして今回は何をやらかすつもりなのやら・・・。


 

「吉乃。悪い事は言わないから別れちゃいなよ。それで私とやり直さない?」

「・・・。」

「吉乃ったら、その虫けらでも見るような目がたまんなーい。」

 キュンキュンしちゃうっ、と、身悶える灯を無視し、ふわふわとろとろなオムレツが魅力的なオムライスをスプーンで掬って食べた。途端、幸せな味が広がる。その私の表情を見た灯は当然のように。

「あ、美味しいんだ。そのオムライス。私にも一口頂戴」

 口を開けてそれを待っている姿は、雛鳥に似ていて。
 私は仕方なく一口をとりわけ、彼女の口に入れて上げた。

 モグモグと咀嚼する彼女は、とても愛らしい。謀らずとも微笑んでしまう。

(昔から灯はそうだった。)

「すみれ先生、楽しそう」

「そうだな。楽しそうだな。万菜。これも食べろ。ウマいぞ。」

 そんな私と灯を半ば放置し、食事を淡々と進める智と万菜ちゃん。

 私が万菜ちゃんを今日連れてきたのは、糸帆さんが忙しくて迎えにこれないからで、それならと、私が引き受けた。どうせ復帰したばかりで勤務時間は少ない。

 帰る支度をしていた時に、男の子に話しかけられ、灯に声を掛けられたのだ。

「ねぇ、吉乃。私【週刊レガッタ】に記事書いてるんだけどさ。対談しない?旦那さんとのダブルキャストで。」

「どうして?」

「どうしてって、それはほら、愛人疑惑を払拭する為よ。それにね。私は許せないのよ。吉乃を傷付けた人達が。吉乃は隠してるつもりだろうけど、旦那さんにも怯えてるし、子供を見てる目も辛そうな目をしてる。」

 灯は昔から正義感が強くて、熱血漢だった。そして、常に真実を追求している人だった。

 真実を追い求め、それを得る為なら、どんなに非難されようとも決して折れず、負けなかった。

「吉乃、昔から言ってたよね。自分の不幸体質はあのクソみたいな親のせいだって。どんなに抗っても抜けられない、逃げられないって。昔は助けたくても助けられなかった。でも今の私なら、文章と言う武器を手に入れた。言いたくない事を答えなきゃいけない辛さも私には判ってるつもり。――吉乃になら私の言ってる意味分かるでしょ?」

 真摯な瞳が綺麗で、強そうなその瞳が羨ましくて。

「灯・・・。」

「頑張ろうよ。吉乃は絶対幸せになんなきゃいけないんだから。私の初めての恋人が不幸なままなのは死んでも嫌なのよ。」

 その時、ガチャリと何かが食器に落ちた音が聞こえたけど、私はそれが誰が立てた音なのか解らなかった。ただ智が目を大きく見開いていたので、何故か理解してしまった。

 そんな智を見て、灯は私に視線を戻し、乾いた笑いを洩らした。 

 別に隠していた訳ではない。カミングアウトする場がなかっただけで。

「そんな瞳で見ないで。それとも気持ち悪くなった?私の事」

「い、いや、驚いただけだ。――灯さん。」

 智は息を深く吸ったかと思えば、私と灯が予期しない事を口にした。
 そしてそれは、智自身の人生をも左右するモノでもあった。

「対談の件ですが」

 ごくりと灯の喉が鳴る。

「特集を組んで下さるのなら、綾橋の内部事情を貴女だけに全てをお話します。」

 智、この時の貴方は全てを見通していたの?このあとに訪れる未来を・・・。
 もし、そうだったのなら・・・。


 私は智の覚悟の籠った声に、何かが大きく動き始めるのを感じていた。
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