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Si je tombe dans l'amour avec vous

C-6-1 友の為に

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 時は遡ること、幾日か前。




「良かった・・・。」

 透明のガラス越しに見える、今は容体が安定して、深く眠りについている吉乃。
 その吉乃の傍にいるのは、その世界では『神』とまで呼ばれ、多くの人達から崇められている医師と、私の勤めている会社の社長、そして冷たそうな風貌の男の人の三人。

 私がここに居合わせたのは、本当にただの偶然だった。



 もし、その偶然が無ければ、今頃吉乃の命はなかったと教えられた時には、私は本当に声を失ってしまうのではないかと思うくらい驚き、ショックを受けた。

 あの日以来、会社から姿を消した吉乃。

 社長に拒絶され、激しく傷つき、幼児退行してしまった吉乃。

 それでもなんとか立ち直り、漸く幸せになれるんだ、と、幸せになってみせると、私に言いきっていた吉乃。その吉乃が人為的流産。そしてそのショックから心肺停止。

 私に迷ってる暇はなかった。気付いた時には看護師に縋りつき、必死に頼んでいた。

『私の血を、私の血を使って下さい。お願いします、お願いします。先輩を、吉乃を助けて下さい!!』

 私をありのままに受け入れてくれた吉乃。
 私がどんなに仕事で失敗しても、決して匙を投げなかった吉乃。
 例え自分が悪くなくても、代わりに怒られ、詰られてくれた吉乃。
 女としてバカにされた私を、自然に助けてくれた吉乃。

 チャンスはいくらでもあったのに、中々素直になれなくて、それでも、漸く勇気を出して、やっと友達になれたと思っていたのに。

 私の懇願に負けたのか、それともそれほど輸血が必要だったのか、看護士さんは私の血液型を確認するなり、輸血を開始した。

 そして数十分後、もう一人の輸血提供者が入ってきた時には、私の輸血制限量はギリギリの所まで来ていた。

 本当なら、私の血液を全て吉乃に上げても良かった。

 でも。


 ギュッと、左ひじを右手で強く掴み、私は回想を止め、ふらつく身体を無視し、ひっそりと病院を出た。

 空からは、清らかな雪の結晶が大地へと降り注ぎ、一面を白銀の世界に染め尽くそうとしている。
 それはまるで、何かを侵食しているかのように思わせた。

「許さないんだから・・・っ、」

 意図せず知ってしまった吉乃の過去と、吉乃の悲劇。
 その引き金になった家族や、吉乃を邪魔に思っている女は、今ものうのうとこの世に存在している。

 その原因となった奴らを赦せない。
 赦そうとも思わないし、思えない。
 もし億万が一にもないけど、吉乃が許したとしても、私が許さない。

 私が出来る事は限られている。
 でも、やらないよりはやった方がマシ。

 私は胸の奥底に仄暗い炎を宿し、揺らめかせ、ある男に連絡を入れた。

 全ては得難き友の幸せの為に。
 その為なら、私は魂に限らず、身体、髪の一本さえ残さず、悪魔に売り渡す。

 でも心のどこかで、それを寂しそうに笑うもう一人の私がいたのも確かだった。
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