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Si je tombe dans l'amour avec vous

C-5-3 信じ難い事実④

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 拒絶がこんなにも辛いモノだとは俺は知らなかったんだ。



 
 

 車で30分弱の処に、その病院はあった。

 常ならば幸せそうな空気が流れていそうなそこは、今は上へ下への大騒動の渦中にあった。
 パタパタと走り回る看護師や、血だらけの術衣を来た医師。
 それを不安そうな表情で見やる多くの妊婦達。

「輸血はどうなってるの?」

「今問い合わせてます。」

「急いで、早くしないと危ないわよ、あの子」

 鬼気迫るその表情に、背中に冷たい汗が流れた。
 
 どうしたんですか、何があったんですかと問いかけたいのに、口が、足が、その場に根を張ったかのように動かない。

 そんな俺の横を颯爽と通り過ぎ、血だらけの医師に縋りつく男がいた。

「先生、彼女は、吉乃ちゃんは無事なんですか!?」

「・・・っ、」

「先生ッ!!」

 その声は悲壮に満ちていて、今にも絶望の淵に追いやられそうなほどな声音だった。
 
「輸血が、血が間に合わないかもしれないの・・・。最悪の事態を覚悟しておいて頂戴。」

「そんな、」

 ふらりとふらついた男が、その場にくず折れる。
 そんな彼を痛ましげに見つめていた医師は、俺と父さんに気付いたのか、鋭い眼差しを向けてきた。
 そして。

「どなたかのお見舞いですか?」

「あ、あの、綾橋 吉乃 は、こちらでは?」

 どうか、いないと言って欲しい。
 そこにいる男も他人の空似であって欲しいと、思った。
 なのに、現実はそれを許してはくれない。

 床に膝をついていた男が、ゆるゆると顔を上げ、ギリっと唇を噛み締め、凄まじい空気を醸し出し、こちらを睨んできた。

 その瞳は深い憎悪に染まり、今にも俺を刺し殺したそうにしていた。

「彼女は綾橋ではありません、今の貴方には無関係です」

「紘人君、今はそんな事を言っている場合ではないだろ。彼女の血液型は?」

 ピシャリとした父さんの声に、憎悪に満ちていた紘人の目が、僅かに正気に戻ったかのように見えた。
 が、紘人は肩を落とし、呻く様に声を漏らした。

「吉乃ちゃんの血液型はRh-のAB型です。」

 Rh-。

 それは何千何万分の一の確率でしか生まれない希少なタイプ。
 しかも国民の殆んどがA型のこの国民。
 
(それだけでも少ないのに、AB型だなんて。最悪だ・・・。)

 重い空気がその場を支配しかけた時、手術室からスタッフが蒼褪めた表情で出てきた。
 その顔色はもう土気色に近い。
 それに加え、ぶるぶると震えている細い身体が、最悪な事を予兆させる。

「先生、平さんが・・・、」

 涙をぼろぼろと流し、声も涙に濡れ。

「どうしたの、はっきり言いなさい。平さんがどうしたっていうの!?」

 そんなスタッフに、医師は状況を詳しく説明を求めた。
 スタッフはスタッフで、泣き喘ぎながらも、必死に言葉を紡いだ。
 誰しもが求めた安堵の報告ではなく、最悪な報せを・・・。

「心肺停止しました・・・――。」
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