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Si je tombe dans l'amour avec vous

C-4-11 事務室で・・・②

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 彼は、人をや空気を和ませるのが、特に秀でていた。

 

 「美苑先生~、遠足の場所、決めましたっけ?」

 お遊戯に使う飾りを作っているのか、器用に鋏を操る“えいちゃん先生”は、のほほんとした空気を醸し出しながら、(彼がえいちゃんというあだ名なのは、某有名歌手のファンだから。)私の知らない事案を口にした。

 いや、正しく言えば、あまり詳しく知らない事案と言うべきだろうか。

 とにかくその遠足の話は、それまで私の作った何とも言えない空気を、軽く払拭した。

「あ!!そう言えば。まだ引率者も決めてませんよ!!所長。」

「行き先も決めてませんねぇ~、母さん。」

「そうなんですか・・・?って、え?母さん?」

 私は斡嶋先生がさらっと口にした単語に驚き、パチパチと瞬きを繰り返した。
 その私の様子に、斡嶋先生はニタリと、ほくそ笑んだ。

「すみれ先生は知らなかったんですか?知ってるかと思いましたよ」

「聞いてませんし、知りませんでしたよ!!」

「そうでしたか。」

 ああ言えばこう言う。
 あげ足を取れば、足元を掬い、言いあう。

 その様子を楽しそうに見ていた美苑先生は、ぽんと両手を合わせ、二コリと微笑み、特大の爆弾を投げ落としてくれた。

「あらあら、まぁまぁ。二人は仲がいいのね。それなら遠足の引率はすみれ先生とあっ君、言い出しっぺのえいちゃんに、こにっちゃんにしましょう。他の先生たちは御留守番組ね」

 決まりね、と、笑う所長に、その場が一瞬静まり返った。
 
 そして、ぽつりと漏らされた言葉は。

「所長には叶わないですね・・・。」

 そのしみじみとした実感の籠った声に、私と他の先生達は頷いた。

 時として、私達を束ねる女性所長は無敵になる。
 にこにこ、キラキラと輝く笑顔で、人を自分の思うがままに操る。

 だからだろう。

 こんな小さな保育所にも関らず、ここの経営は順調で、赤字知らずだ。
 他の私立や法人は、赤字だと言うのに・・・。

「行き先は貴女達が責任を持って決めてね?」

 これで話は決まり、と、清々しく微笑む彼女に逆らえる人間は誰もいない。

 溜息を吐き、苦笑を浮かべようとした時、私の表情は凍りついた。

(どうして、いるの・・・?)

 私の凍りついた視線の先には、あやめちゃんのママがいた。
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