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Si je tombe dans l'amour avec vous

C-4-7 消えたお姉ちゃん

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  お姉ちゃんが、消えた。

 そんなこと、最初は信じられなかった。
 でも、何月になってもお姉ちゃんはもどってこなかった。

 
   



 
 ひろお兄ちゃんにきいても、りぃーちゃん、ママにきいても、知らないって言うばっかり。

 さとしお兄ちゃんは、お姉ちゃんが消えた日から笑わなくなった。泣かなくなった。
 それだけじゃなくて、目の色が冷たくなったような気がするし、変なニオイがするようになった。

 それもこれもぜんぶ、お姉ちゃんのせい。

 おじさまは、そう言ったあやめに、『お姉ちゃんは遠い所に行ったんだよ』と言って、悲しそうに、さみしそうに笑って、あやめを、ぎゅっ、て、抱きしめた。

 でもね、あやめ、知ってるの。

 おじさまが毎日泣いてるの。
 きのうはお姉ちゃんの写真を見て泣いてたし、その前は、お姉ちゃんの部屋で泣いてた。

 それだけじゃないの。
 おじさまは、さとしお兄ちゃんに話しかけようとして、けっきょく、やめてる。

 おばさまはおばさまで、毎日泣いてさとしお兄ちゃんを責めてる。

 そのたび、さとしお兄ちゃんが壊れていくような気がするのは、あやめの気のせい?

 おじさまは、あやめにそれを見せたくないのか、いっつも、ギュって抱きしめて泣くの。

 お姉ちゃんがいた頃なら、おばさまも、おじさまも、こんなんじゃなかった。
 いつも笑っていて、ニコニコして、温かった。

(いやだ、いやだよ。)

 だいすきな人達が、バラバラになって、傷つけあって、砂のお城みたいにこわれていく。

 さいしょは、パパとママだった。

 いつも、いつも、さみしいって泣いてたママに、パパは声もかけなくて。
 ママはパパが好きだったから、それがいやで、パパと離れた。

 おじいさまとおばあさまは、ママが悪いって、ママをいじめた。
 だから、ママはここのお家に逃げてきた。
 さいしょは、ドキドキしたけど、ここのお家の人達は優しかった。

 とくに、お姉ちゃんはやわらかくて、ふわふわで、あまいニオイがして、大好きだった。
 さとしお兄ちゃんも、そんなお姉ちゃんがホントに大好きだったんだと思う。

 幸せそうで、いつもきらきらしていて。

 この生活が、ずっと続くんだと思ってた。

 
 ――なのに・・・。

 バタンって、大きな音を立てて、玄関を開け、そこにいた女の人をみて、あやめはガマンが出来なくなって、お姉ちゃんの部屋だった部屋に逃げ込んだ。

 お姉ちゃんが病院から消える少し前から、この家に住んでるあのヒトと、あやめと同じくらいの女の子。

 女のコは、いっつも保育園に行く前、さとしお兄ちゃんに何か言いたそうにしてるけど、何も言わない。
 あやめを見て、糸帆さんを見て、けっきょく、何も言わない。

 たまに、一人で泣いてる。

 その時に、『ごめんなさい、ごめんなさい、すーちゃん、ごめんなさい』って言って、泣いてる。

 あやめが『すーちゃんってだれ?』って、聞いたとき、女の子は、びくびくしながら『すーちゃんは、先生だよ』って言って、メイドさんの後ろに隠れた。

 その時は、何とも思わなかった。

 だけど・・・。

 
「お姉ちゃん、どうして・・・?」

 今日、ぐうぜん通ったお家にいた、お姉ちゃん。
 いつもみたいに、キラキラで、ふわふわな、お姫様みたいに優しく笑ってたお姉ちゃん。

 髪の形は違ったけど、眼鏡はしてなかったけど、お姉ちゃんだった。

 あやめが欲しかった笑顔、みんなが帰ってきて欲しいと思ってたお姉ちゃん。

(それなのに、どうしてあやめの事、知らないって言うの!?)

 人違いだって、あやめの事、知らないって、自分の子供は、この子だけだって・・・。

(え・・・?)

 その時、なにかあやめの中で引っ掛かった。
 
 そしてもう一度思い出してみる、あのお姉ちゃんのことば。
 
 ――私の子は、この子だけ・・・。

 最初で、最後って、悲しそうに笑ったあのお姉ちゃん。
 もし、あのお姉ちゃんが、おねえちゃんなら・・・。

「お姉ちゃん、赤ちゃんいるの・・・?」

 あやめみたいな子が欲しいって言ってたお姉ちゃん。
 そのお姉ちゃんの欲しかった子供。
 それは・・・、

「お兄ちゃんの赤ちゃんなの・・・?」

 この時、あやめはもっと気をつけるべきだったんだ。
 そうすれば、あんなことにはならなかったのに。

 でも、この時のあやめは、お姉ちゃんの言葉の意味に夢中で、あやめの言葉を誰かが聞いていただなんて、気付いてもいなかった。 
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