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Si je tombe dans l'amour avec vous

C-3-3 拒否

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 その時の私には、きっと誰か、別人が乗り移っていたのかもしれない。




 
 

 込み上がってくる感情のまま、私はそのままそれに従い、振る舞った。

 ふつふつと、私の中から込上げてきたのは、暗い感情と人を蔑む笑い。

 ふふふ、と、暗く、そして、蔑みの含んだ笑いは、その場にいた人達を凍りつかせる威力には充分だった。

(私ったら、何度同じ事を繰り返せば気が済むのかしらね。)

 私はまた自分の事しか考えていなかった。
 
 あれほど、あの人を悲しませない、傷付けないと誓っておきながら、また自分だけの事を考え、卑怯にも逃げようとしていた。

(ほんと、私は自分勝手だ。)

 ぎりり、と、私は反抗すべく、私の髪を鷲掴んでいるあの女の手の甲に、力の限り思いっきり爪を立て、睨み上げた。

 ここで私が逃げては、あの誓いは無意味になってしまう。
 それだけは避けなければならない。

 決して離れたりなんかしないと、確かに誓ったのだから。

「誰が、誰が渡すモノですか!!貴女なんかに智は渡さないわ。大体、智は私の夫だし、貴女を飾る安いブランド物じゃないのよ!!」

 そう。私は智の妻で、智は私の夫。

 そして智は、譲るとか、渡すとか、返すとか言えるような存在ではない。

 智はモノではなく、きちんとした一個人の人間なのだから。

 もし本当に愛しているのなら、その相手を返せと、モノ扱いしないはず。

 私のその突然の反撃に、私を掴んでいた人、――万季は、私の言葉に逆上したらしく、勢いよくあいていた片手を振り上げ、そのまま右頬に振り下ろした。

 そして・・・。


 -バチンっ

 大きく、乾いた音は、総務課の部屋中に響いた。 

 でも、いつまでたっても、私の頬は痛みだすことも、熱くなることは無かった。
 
 その不可思議な現象の答えを得るため、私は痛みの為、覚悟して閉じていた瞳を開け、その答えを知るなり、目を大きく丸め、口を大きく広げ、ぽかんとしてしまった。

(どうして、部長が?)

 私と千代田さんを庇うようにして、私とあの女の間に入り、代わりに叩かれていたのは、総務部の部長・梨雫 秦《なしだ じん》部長だった。

 梨雫部長は、私が無事であるかどうかを確かめると、その大きくて暖かい掌を私の頭に乗せ、ポンポンと軽く叩き撫ぜ、呆れ混じりの溜め息を吐いた。

「綾橋、社長には黙っておいてやるから、仮眠室で休んでこい。おい千代田、お前は綾橋がちゃんと休むように見張っておけ。特別に有給にしてやる。」
 
 それが決定事項だと言わんばかりに、数人の社員達に、私と千代田さんを仮眠室に追いやらせ、一方で近くにいた女子社員に、電話で警備員を呼ぶように命じ、部長は警備員が来るまで、二・三人の男性社員らと城花万季を拘束し、不審者扱いし、どこぞへと引き連れて行った。

(流石です、部長。)

 あれだけ迅速な行動、処置が出来るには、きちんと理由がある。

 梨雫部長は、元暴走族の総長で、元・歌舞伎町にあるクラブのバーテンダーだったのを、智にその素早い動作と知識力、行動力、判断力を買われ、ヘッドハンティングされ、去年、異例の役職付で中途入社してきた人だ。

 それを知っているのは、ごく一部の限られた人達だけだ。
 
 私がそれを知っているのは、創業者一族の伴侶だからにすぎない。

 
 だが、とりあえずの脅威は去った。

 私は休憩室のベッドに押し倒されるなり(千代田さんが私を押し倒した。)、呆気なく眠りの園へと旅立っていた。

  
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