スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←・それは罪か、はたまた偽らざる本能か →忘れていたワケではなくってよ?
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png あいさつ
もくじ  3kaku_s_L.png My Girl
  • 【・それは罪か、はたまた偽らざる本能か】へ
  • 【忘れていたワケではなくってよ?】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

My Girl

・それは悪魔の囁きか、それとも本能か

 ←・それは罪か、はたまた偽らざる本能か →忘れていたワケではなくってよ?
 ――2月14日、金曜日。


 粉雪が舞い、カカオの香りが漂う今夜は、恋人達にとってはクリスマスに次いで特別な日。
 恋人がいなくても想いを寄せている相手がいれば、今夜は特別な日。
 そう、たとえ恋焦がれている相手に恋人がいたとしても、今日だけは誰にも遠慮することなく想いを告げることが許されている日。

 でも、私は彼には想いを告げられないし、告げようとも思わない。何故なら私が想いを寄せている相手は...。



「...い、おい、大丈夫か阿賀谷(あがや)」

「大丈夫よ。で?万梨子(まりこ)さんとは上手くいってるの?」

 名前を呼ばれて、いつの間にかどこかに意識を飛ばしていた私は、目の前にいる同期兼腐れ縁で、悪友でもある男性社員に意識を戻した。
 彼の名前は澳津(おきつ) 絢翔(あやと)、32歳。
 対して、私こと阿賀谷(あがや) 倫子(のりこ)ぎりぎり31歳。

 彼は私たちが学生時代だった時に、当時校内一美少女だった子と念願かなって卒業と同時に付き合い始めて、今年でかれこれ14年目くらいになる。
 以来、ずっと私は彼――絢翔と彼女の惚気を聞き続けててきた。でもそれももう限界に近い。

 からり、とグラスの中で今溶けた氷のように、私の「友人」としての顔が段々と保てなくなってきているのだから。
 彼にとっての私はあくまで、友人兼、悪友兼、腐れ縁。
 気心が知れていて、自分に異性としての好意を向けない人物。
 曇りない真っ直ぐな信頼で結ばれてきたこの関係。

 私はそんな関係が大切で自分の宝物だと思っていた。
 だから私はこのまま想いを封じ込めて、30歳を過ぎても結婚しない娘(わたし)の将来を案じて親が用意したお見合いで相手を見繕って、適当な男性と結婚しようと思ってたんだけれど。

 今日は恋人達にとっては大切な日だと、私はずっと思っていた。
 だけど、現実はそんなに甘くないのだと思い知らされたのは...。

「万梨子・・・?」

 店を出て、駅前の繁華街を歩いていたとき、ふいに聞こえた彼の動揺しながらも、どこか嘘だと否定してほしげな色を含んだ悲しげな掠れた声。

 そんな彼の声に誘われ、彼が注視してる方へと目を向けてみれば。

 きっとこんなことがなければ私は全く違う道を選んでいたと思う。けど、起きてしまったことは今更過去には出来ない。

 一度箍が外れ、溢れ、走り出した想いは止まらない。


 たった一度でもいい。
 一夜だけでもいい。
 だから。

「絢翔、私が忘れさせてあげる」

 彼は酔っていて。
 私も多分、自分の悲恋に酔っていて。

 誘ったのは私。
 誘いに乗ったのは彼。
 どちらも褒められた言動ではないけれど、私と絢翔に辞めるという選択肢はその時はなかった。

 ――、否、見て見ぬふりをした。
スポンサーサイト
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png あいさつ
もくじ  3kaku_s_L.png My Girl
  • 【・それは罪か、はたまた偽らざる本能か】へ
  • 【忘れていたワケではなくってよ?】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【・それは罪か、はたまた偽らざる本能か】へ
  • 【忘れていたワケではなくってよ?】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。